吉田さらさの「明日がちょっと幸せになる お地蔵さまのことば」

寺と神社の旅研究家吉田さらさが10年間の旅を通して撮りためた石仏、石の神様像の写真を、お言葉ともにお届けします。

捨てていいものなんかない

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わたしは、これまで何度か岐路に立ってきた。
そのたびに、いろいろなものを曲がり角に捨ててきたけれど、...
最近は、捨てたはずのものを拾いに行くことが増えてきた。

人生、どんな経験も無駄にはならない。
その場では、つらいと思ったことも、
あとになってみれば、それを乗り越えたことで、何かを学び取っている。
つまり、人生に起きることはすべてが、神様からの贈り物。
それを生かすかどうかで、その後の実り方が違ってくるんだな。

埼玉県秩父市金昌寺 地蔵菩薩
秩父の札所の中でも、石仏が無数にあることで有名な寺。境内の一番奥に謎めいた洞窟のような場所があり、そこにも、一部は破損したままの古い古い石仏が点在しています。人によっては「ちょっと不気味?」と思うかも知れません、わたしには、さまざまな経験を積み重ねた人々が思索にふける場に見えました。

わたしは掃除や整理整頓が苦手で、ものを捨てられない体質です。
つまり、今流行りの断捨離とは無縁の生活をしております。
しかし、物は捨てられずとも、精神的なものはけっこう捨てて来ました。
だけど、今になって、本当は何も捨ててなかったと思うのです。
良くも悪くも、過去の経験の積み重ねが今の自分を作っている。
そう考えると、どの経験もかけがえのないものでした。

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