未来の幸せよりも今の幸せ
わたしは、「人間にとって幸せとは何か?」
という問題について、何百年も考え続けています。
わたしの仕事は人を幸せにしてあげることなので、...
まずは、その「幸せ」って何なのかをちゃんと理解する必要があるのです。
しかし、これがなかなか難しい。
「貧しいが信心深い男が、親を楽にさせたいとお参りに来ました。
その年は久々に豊作になり、その人と両親は、
新しい家を建てて、幸せに暮らしました」
というのは日本昔話の中でだけ通用するエピソード。
このごろの「幸せ」は、そんな単純なものではないようです。
家を建てたが、隣にもっといい家が建って
毎日、ムカつくとか、
家を目当てに嫁が来たが、
親たちと気が合わなくて毎日大喧嘩とか、
家を建てたとたんに、家出していた弟が戻ってきて、
大酒を飲んで暴れるとか。
そんなことがよくあるので、
人の願いを叶えてあげるときは、
よくよく考えないといけないのです。
もしも願いごとがなかなか叶わないとしたら、
その願いは、必ずしも、あなたを幸せにはしないのかも知れないし、
それが叶わずとも、あなたはもう十分に幸せなのかも知れない。
少なくとも、「将来、何かを手に入れたら幸せになれる」
という考え方に縛られない方が、人はてっとり早く幸せになれると思うな。
東京都練馬区石神井 三宝寺 如意輪観音
このお寺には、おびただしい数の石仏群があります。種類は少なく、ほとんどがお地蔵さんと観音様ばかりですが、一体一体よく見ていくと、それぞれに味があって面白い。こういうところでお気に入りを探し出すのが、石仏ハンティングの醍醐味のひとつでしょう。
如意輪観音は、人の願いを思いのままに叶えてくれる観音様です。でも、人間はとても複雑な動物なので、助けると言っても、そう簡単ではないんですよね。わたしには、この美しいお顔の如意輪さんが、ちょっと悩んでいるようにも見えました。
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