吉田さらさの「明日がちょっと幸せになる お地蔵さまのことば」

寺と神社の旅研究家吉田さらさが10年間の旅を通して撮りためた石仏、石の神様像の写真を、お言葉ともにお届けします。

どこまで行っても上がある

 

人生は終わりのない山登り。
もう十分登っただろう。
そろそろ頂上なんじゃないの?
と思ってたどりついてみると、
なんだ、まだまだ道半ば、
はるか高い頂が遠くに聳えている。

 

東京都港区芝公園 地蔵菩薩

写真の下半分は、どこかの山際の寺で見かけるような風景ですが、上半分が違う。ぼんやり写っているのは東京タワーの脚。東京一の観光名所(今は東京で二番?)の下がこんなことになっていたなんて、知ってました?わたしはかれこれウン十年東京で暮らしているが、ついこの前まで知らなかったな。調べてみると、東京タワーの敷地の一部は、増上寺の墓地だったようです。なるほど、それなら、このお地蔵さんは、墓地に登って行く道すがらにあったものなんだなと納得できます。

今日のお言葉に関しては、いつも、何かの目標を達成するたびに実感することです。「こうなったらいいなぁ、これができたらもう満足だな」と、事前には思っているけれど、実際にそうなってみると、「あれ?わたしがあれほど望んでいたのは、この程度のことだったの?」と感じる。お釈迦様は、「ほらみろ、何を手に入れても満足できないから、人生は『苦』なのだ」と言い、「2割9分3厘で満足するようなら、もうそれで終わりです」とイチロー選手は言う。どっちも真理だと思うけれど、わたしはやっぱり、『苦』であっても、いつまでも上を目指していたいかも。

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