めでなくなくともめでたいふり

そりゃ、わしにだって、それ相当の悩みがあったり、
何をやってもうまく行かなくて、...
もうやんなっちゃったな～と思う時だってあるのさ。

だがな、人にそういう様子を見せたら負けだと、
わしは思うわけよ。

人間も動物だから、
本能的に、皆、強くて明るいものに惹かれるんだ。
同じことでいつまでも悩んでいたり、
愚痴ばっか言っているやつからは、
だんだん人が離れて行く。

あんたはノ―天気でいいよな、と言われることもあるけど、
実は、ノ―天気に見せるための努力を水面下でしているわけよ。
わしは人が好きだから、いつでも、人が喜んでくれる自分でいたいんだ。
めでたいふりをしていると、本当にめでたくなることも、よくあるしな。
なんてったって、わしは恵比寿さんなんだから。

東京都豊島区雑司ヶ谷　大鳥神社　恵比寿神

雑司ヶ谷鬼子母神近くの大鳥神社で発見した、世にもめでたい姿の恵比寿様。でも、よく見ると顔がいまひとつ笑っていなくて、ははぁ、この人も本当は、案外悩んでいたりもするんだなと思った次第。お正月の人寄せパンダのお役目を背負い、めでたさをアピールする御苦労がしのばれますね。雑司ヶ谷にはもともと七福神があったわけではなく、地下鉄副都心線の開通に伴って、地域の活性化のために新たにコースを設定したのだそうです。したがって、この像も新しいものですが、数十年後にまた見たら、けっこう風格が出ていそうです。