知恵と智慧は微妙に違う
わたしは文殊菩薩、
ご存じのとおり、知恵の仏です。...
わたしが思いますには、
このごろは、皆さん、どんどん知恵がついていますな。
他人の立派な言葉を、
まるで自分が考えたことのように言いふらす知恵。
世の中で悪いことが起きると、
自分は何ごとに関しても完全に罪がない人間であるかのような言い方で、一斉に非難する知恵。
いずれにしても、そうしていれば自分は安泰。
皆さん、実に頭がいい。
けれど、わたしが本来司っているのは「知恵」ではなくて「智慧」
ものごとの真理を見極める力のことです。
上手に世間を渡って行くためには、時には知恵も必要ですが、
たまには智慧も使って、
自分が本当は、それほど立派でも完璧でもないことを見極めるべきだと、わたしは思うんです。
東京目黒大円寺
目黒駅から徒歩で三分ほどの石仏の宝庫。ずらり並んだ羅漢さんと、大きな釈迦如来像、その両脇に、文殊菩薩と普賢菩薩の像があります。冬の晴れた日に、よくここに出かけて撮影しました。この文殊様の写真は、自分の中では最高傑作。智慧があふれる美しい横顔に、心を奪われます。
★お知らせ!
東京FMのホームページに、「明日がちょっと幸せになる お地蔵さまのことば」の書評を掲載していただきました。合わせてごらんください。
http://www.tfm.co.jp/timeline/index.php?itemid=88996&catid=1485